麻酔」タグアーカイブ

歯科の麻酔➃ Q&A!

Q:麻酔が効いているのにおなかがすいたら?舌を噛んだ人のイラスト猫舌のイラスト

A:局所麻酔がまだいくらか効いているときは、飲食はしない方が無難です。感覚が麻痺しているで、温度がわからず火傷をしてしまうことがありますし、頬の内側や舌を噛んでしまうこともあります。

Q:子供の麻酔で気をつけることは?  赤ちゃんの表情のイラスト(男・疑問)

A:小さなお子様や障害のある方などで、麻酔後にびりびりする唇が面白くて手でいじったりチュウチュウ吸ってしまうことがあります。あまりすると唇が内出血したり、腫れあがったりしてあとでたいへん痛いので、保護者の方はぜひ気を付けてあげてください。

Q:痛くない注射器があるってホント? 柴田郡柴田町でむし歯治療や根幹治療なら飯淵歯科医院まで

A:電動注射器のことでしょう。注射の痛みとは、針を刺す痛みと、薬が注入される圧力の痛みです。針を刺す痛みは、表面麻酔で防ぐことができます。注入の時は、できるだけゆっくり同じ速度で注入すると痛みが出ません。電動注射器は、注入をゆっくりと速度を一定に保つことができるため、痛みが少なく注射ができるのです。

Q:アレルギーが心配です…   口内炎のイラスト

A:麻酔アレルギーには2タイプあります。ひとつは小さな湿疹ができ、知らないうちに治るような軽いものです。表面麻酔薬や防腐剤の影響でときどきあります。化粧品アレルギーの方は要注意です。もうひとつはアナフィラキシーで、ショック状態を起こし命にかかわります。ただ、たいへんまれです。「前に麻酔をしたときに気分が悪くなった」というような方の多くは、おそらくアレルギーではありませんが、もしご心配であれば歯科麻酔専門医などにご相談ください。

Q:持病があるのですが…   問診のイラスト(女医)

A:問診表や診察の中での問診で、病気のことや飲んでいるお薬のことなどについて必ず教えてください。麻酔薬の成分が影響することもないとは言えません。特に高血圧症や心臓病、動脈硬化、重篤な糖尿病の方は注意が必要です。お口も体の一部だという意識をぜひ持っていただきたいと思います。

Q:おなかに赤ちゃんがいます   妊婦・妊娠のイラスト(赤ちゃん)

A:妊娠中の方は、できれば麻酔は避けた方がよいでしょう。どうしても必要な場合、局所麻酔なら妊娠中期であれば可能です。4か月を過ぎれば赤ちゃんの器官はすでに形成されています。そういう意味では麻酔薬の影響はないでしょう。

 

いかがだったでしょうか?

わからないことがあれば何でもスタッフにお尋ねください♪

歯科の麻酔③ 全身麻酔と精神鎮静法

全身麻酔

全身麻酔とは、点滴や吸入によって患者さんがすっかり眠ってしまう方法です。痛みや恐怖感などの治療のストレスを全く感じずに治療を終えることができます。                   全身麻酔を使う歯科治療は、その多くが大学病院の歯科や総合病院の歯科、口腔外科などで行われています。対象となるのは、高血圧や狭心症などの持病のある方、口腔外科手術を受ける方、知的障害や肢体不自由などの障害のある方のほか、歯科恐怖所や強い嘔吐反射のある方などです。入院をして行う場合と日帰りで行う場合があります。

精神鎮静法

精神鎮静法とは、患者さんによりリラックスして治療を受けていただくために、鎮静剤の静脈注射や、笑気ガスの吸入を行う方法です。精神鎮静法は、目覚めた状態でありながら、不安感や不快感、緊張を和らげます。そのため治療の際の患者さんの負担が軽減されます。痛みを抑える効果はありますが、完全なる鎮静効果はないので局所麻酔を併用しながら治療を行います。対象となる患者さんは、高血圧や狭心症などの持病をお持ちの方、口腔外科の処置を受ける方、知的障害や肢体不自由などの障害のある方、歯科恐怖症の方、嘔吐反射の強い方、などがおられます。

静脈内鎮静法|歯周病・口臭治療・インプラント|熊本の新屋敷津田歯科こども歯科

以上が歯科で使われている麻酔の種類でした。

歯科の麻酔① 麻酔の歴史は歯科から始まった!?

160年前、痛みのない治療をしたいと願う

一人の歯科医師のひらめきが

世界初の麻酔治療を生みました。

そしていま、その後の麻酔学の研究とその成果が

より痛みの少ない治療を実現しています。

 

皆さんは、麻酔の歴史は歯科から始まったことをご存じでしょうか?

世界初の全身麻酔として公認されているのは、実は歯科医師による抜歯の治療だったのです。

1844年、注射器も消毒薬もまだない時代に麻酔の歴史は「全身麻酔」から始まります。

傑作イラスト

アメリカ人の歯科医師ホーレス・ウェルズは、あるとき笑気ガスを吸って騒いでいる旅芸人の一座にでくわしました。笑気ガスを吸った旅芸人がハイになっているのを面白がって眺めるという、たわいもない興行です。そのうち、芸人の一人が向こう脛をひどくぶつけました。相当痛いはずなのに、本人はまったく気づきません。

ウェルズはひらめきました。笑気ガスには麻酔の作用があるのかもしれない。患者さんを抜歯の痛みから解放できるのではないか。

監獄で壮絶な死を選んだ医学界のイノベーター (2ページ目):日経ビジネス電子版(ホーレス・ウェルズ)

ウェルズはさっそく自分の歯で実験しました。するとまったく痛くありません。素晴らしい効果でした。この一人の歯科医師のひらめきこそ、現代にいたる医学の飛躍的な進歩をささえてきた「麻酔の歴史」の始まりでした。

翌1845年、ボストンのマサチューセッツ総合病院エーテルドーム(医学上の数々の画期的な実験が行われた階段教室)で、ウェルズはこの画期的な全身麻酔の公開治療を行います。

歯を抜く時の麻酔はいつから?|公益社団法人神奈川県歯科医師会

ところがこの実験は失敗に終わりました。実験に協力した患者さんは丈夫な歯を持つ屈強な男性でした。抜歯の際に、力の強い患者さんが刺激で動いてしまったのです。実験を「八百長だ」をバッシングされ、ウェルズはすっかり全身麻酔の失敗者として汚名をきせられてしまいました。しかい、患者さんはやはり抜歯をしたことを全く覚えていなかったのです。ウェルズはいまでは名誉回復されて、彼の公開治療は世界初の全身麻酔として認められています。

その一年後に、エーテルを使った公開治療が行われました。エーテルは笑気ガスよりもはるかに強い全身麻酔薬です。治療を行ったのは同じく歯科医師のウィリアム・モートンでした。彼は賢明にも、病弱な人のできものを取る小さな手術を行い、大成功をおさめます。

WilliamMorton.jpg(ウィリアム・モートン)

以来160年、こうして歯科医師の手で始まった麻酔治療が、その後あらゆる医学の分野で応用されていることは皆さんもご存じのとおりです。そして「無痛治療」という理想に向かって、歯科の麻酔学も様々な模索と研究を重ね、成果を上げてきました。

 

次回は麻酔の種類についてご紹介していきたいと思います^^